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弁護士とは-2022年06月18日

弁護士は、依頼を受けて他人のために法律事務を処理することを職務とする専門職です。
弁護士と同じく、司法試験を受け、合格後に司法修習を受けてなることができる裁判官、検察官とともに、法曹三者といわれます。

弁護士は、個人や会社などの法人の依頼者から委任され、さまざまな事件や紛争について、法律の専門家として裁判や調停などの紛争、もめごとの予防、契約や交渉などの対応、その他の業務を行います。

弁護士の使命と職責

弁護士は、その職務の性格上、また制度創設以来の成り立ちから、強い独立性を有し、単に依頼者の利益を守るだけでなく、社会正義のための氏名と職責を負っています。

弁護士法では、弁護士の使命として、
「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。」
「弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。」
としています(弁護士法第1条)

また、弁護士の職責として、
「弁護士は、常に、深い教養の保持と高い品性の陶やヽに努め、法令及び法律事務に精通しなければならない。」
と規定しています。

弁護士の業務

弁護士の業務は、裁判などの紛争処理のほか、契約や示談交渉、刑事弁護など、法律事務のすべてにわたります。
紛争性のある法律事務は、弁護士法第72条によって、他の法律に定めるほかは弁護士の独占業務です。

弁護士の業務は、弁護士法第3条に規定されています。

(弁護士の職務)
第三条 弁護士は、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によつて、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とする。
2 弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができる。

非弁護士の業務取り扱いの禁止

弁護士法第72条では、非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止を規定しています。

つまり、弁護士または弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で、訴訟事件、非訟事件、審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件、その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁和解、その他の法律事務を取り扱い、これらの周旋をすることを業とすることができません。

ただし、この法律または他の法律に別段の定めがある場合は、この限りではありません。
他の法律としては、たとえば弁理士法が定める特許庁に対する不服申立、審決取消訴訟、知的財産に関する侵害訴訟についての一定の業務などがあげられます。

名称独占

弁護士または弁護士法人でない者は、「弁護士」または「法律事務所」の標示、記載をすることが禁止されています。
さらに、弁護士または弁護士法人でない者は、利益を得る目的で、法律相談、その他法律事務を取り扱う旨の標示、記載をしてはなりません。

弁護士法人でない者は、その名称中に「弁護士法人」またはこれに類似する名称を用いることができません。

弁護士の資格はオールマイティ

弁護士の業務を定めた弁護士法第3条では、「弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができる。」とされています。

弁護士となる資格を有する者は、その資格をもって、弁理士、税理士、行政書士、社会保険労務士、海事補佐人の資格登録をすることができます。
これらは、弁理士法、税理士法、行政書士法などのそれぞれの法律によって定められています。

同じ法律系の士業(法律隣接職種)であっても、司法書士、海事代理士については、弁護士であっても登録してその資格を名乗ることはできません。
しかしそれでは、弁護士は司法書士業務ができないのかというと、そうでもありません。

弁護士法で、たとえば司法書士資格がなくても、弁護士の資格により一般の法律事務ができるため、司法書士が行う登記申請代理業務なども行うことができるのです。

弁護士の資格だけでも、行政書士、社会保険労務士、海事代理士、海事補佐人の職務を行うこともできますが、海事代理士が行う船舶の登録などは弁護士であっても行うことはできません。

このように、ごく一部の業務を除けば、ほぼすべての法律業務を弁護士が行うことができます。
まさに弁護士はオールマイティな法律資格であるといえます。

弁護士は、弁護士会に所属し、日本弁護士連合会に登録される

弁護士は、司法試験に合格し、司法修習を終えただけでなく、その資格をもって日本弁護士連合会に備えた弁護士名簿に登録されて初めて、弁護士となります(弁護士法第8条)
つまり日本弁護士連合会(日弁連)は、強制加入団体です。

また、この組織は二重構造となっていて、各都道府県ごとに弁護士会があり、弁護士となるには、入会しようとする弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録の請求をすることとされています(弁護士法第9条)。
例外的に東京には、東京弁護士会、東京第一弁護士会、東京第二弁護士会があります。

弁護士は、人権擁護と社会正義を実現するという使命から、権力から自由独立でなければなりません。
日弁連は完全な自治権のもとに運営され、弁護士の資格審査、登録手続や、組織の運営、弁護士に対する懲戒などを各弁護士会と日弁連により行っています。

弁護士会、日弁連は、会員の会費などにより運営され、弁護士は毎月の会費を払わなければなりません。
また、日弁連や各弁護士会の規則、弁護士倫理を守らなければなりません。

弁護士になるためには

弁護士となるためには、一般的には、司法試験に合格し、合格後に司法修習を経て、ようやく弁護士となる資格が得られます。

一般的にと書いたのは、例外として、弁護士法第5条では、司法修習以外の道があるからです。
詳しきは弁護士法第5条に規定してあります。

司法修習生となる資格を得た後に、通算5年以上、簡易裁判所判事、検察官、裁判所調査官、裁判所事務官、法務事務官、司法研修所・裁判所職員総合研修所・法務省設置法で定める教官、衆議院・参議院の議員、法制局参事、内閣法制局参事官、大学の学部・専攻科・大学院における法律学の教授・准教授の職になるものは、法務大臣が定める所定の研修を経て弁護士となることができます。

また、司法修習生となる資格を得た後に、通算7年以上、法律に関する専門的知識に基づいて、企業の役員や従業員として所定の法務に携わった者も、同様に法務大臣が定める所定の研修を経て弁護士となることができます。

まずは司法試験の受験資格を得るまでが大変

司法試験の受験資格は,法科大学院の課程の修了、または司法試験予備試験の合格により得られます。
受験期間は、受験資格を取得した日後の最初の4月1日から5年間です。

司法試験予備試験は,法科大学院課程の修了者と同等の学識およびその応用能力と、法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的とし,短答式及び論文式による筆記並びに口述の方法により行うものとされています。
予備試験には、受験資格および受験期間の制限はありません。

法科大学院とは

法科大学院は、法曹養成のための教育を行うことを目的とするものを置く専門職大学院(専門職大学院設置基準第18条第1項)であって、法曹に必要な学識および能力を培うことを目的とするものです。

法科大学院には、法学未修者コース(3年)と法学既修者コース(2年)があります。

法学未修者コースは、法律の学習をしたことがない人などを対象とする3年間のコースです。
1年目は法曹を目指すにあたって必要な基礎的な法律知識や能力などの修得から、その後、理論と実務の教育が行われます。

法学既修者コースは、法律の基礎知識を既に修得している人を対象とする2年間のコースです。
法学未修者コース(1年目)の課程が免除され、2年次の科目から開始することになります。

司法試験に合格して、司法修習に進む道が一般的

弁護士となるためには、上記の例外を除けば、司法試験に合格し、合格後に司法修習を経て、ようやく弁護士となる資格が得られます。
ところが、弁護士法を見ても、

(弁護士の資格)
第四条 司法修習生の修習を終えた者は、弁護士となる資格を有する。

としか書いてありません。

それでは、司法修習生になるにはどうするのか、どこに規定されているのかというと、裁判所法に書いてあります。

裁判所法の第3章・司法修習生の第66条に、
「司法修習生は、司法試験に合格した者の中から、最高裁判所がこれを命ずる。」
とあり、さらに
「前項の試験に関する事項は、別に法律でこれを定める。」
とあります。

別の法律として、こんどは司法試験法という法律があり、ようやく司法試験のことが出てきます。

司法試験法の第7条には、
「司法試験及び予備試験は、それぞれ、司法試験委員会が毎年一回以上行うものとし、その期日及び場所は、あらかじめ官報をもって公告する。」
とあり、第8条では、
「司法試験の合格者は司法試験考査委員の合議による判定に基づき、予備試験の合格者は司法試験予備試験考査委員の合議による判定に基づき、それぞれ司法試験委員会が決定する。」
として、晴れて合格証書が授与されることになります。

(合格証書)
第九条 司法試験又は予備試験に合格した者には、それぞれ当該試験に合格したことを証する証書を授与する。

司法修習はおよそ1年間

裁判所法第67条には、
「司法修習生は、少なくとも一年間修習をした後試験に合格したときは、司法修習生の修習を終える。」
とあります。

司法修習生は、その修習期間中は、最高裁判所の定めるところにより、その修習に専念しなければなりません。

こうして、司法試験とその合格、司法修習とその試験の合格を経て、弁護士になる資格が得られるということになるのです。


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