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サイト制作・運営のためのシステムはどれがいい?-2022年07月10日

ウェブサイトを制作し運営するとなると、小規模事業者や士業などの場合、その方法にはおおむね下記の3つがあります。
なお、htmlを手打ちしたり、ホームページ作成ソフトなどで制作したファイルをFTPする方法は、効率的ではないためここでは深く記載していません。

1 無料ブログサービスなどを利用する方法

2 有料CMSサービスを利用する方法

3 レンタルサーバーを設置してCMSをインストールする方法

CMS(コンテンツマネジメントシステム)

CMS(コンテンツマネジメントシステム)は、ブログでも採用されているウェブサイト公開のための編集・公開システムです。
あらかじめ設定されたテンプレートの通りに、ブラウザに表示されるhtmlファイルを生成し、サイトが閲覧できるというものです。
無料ブログサービスと同じように、記事を書き込んだり、編集したりすることができます。

CMSの種類

htmlファイルの生成は、WordPressのように、ユーザーが閲覧するときにデータベースの記事とテンプレートなどに基づきページを生成するもの(動的CMS)と、記事を書き込んだ時にページをあらかじめ生成しておくMovableTypeのような方式(静的CMS)とがあります。
一般的には、あらかじめページを生成しておくMovableTypeの方式の方が、閲覧時の動作が早いといわれます。
ただし、WordPressで静的生成をするためのプラグインがあります。

CMSとしては、一般の個人にはWordPressが人気で、無料のオープンソースソフトであることから、圧倒的なシェアであると思います。
一方、オープンソースであるため、サポートがありません。
ソフトのアップグレードや、セキュリティ対策は、レンタルサーバー会社などに行ってもらう範疇のほかは、自分で行うこととなります。

1 無料ブログサービスはおすすめしない

上記のうち、無料ブログはおすすめできません。
例外として、(1)独自ドメインで利用できる、(2)独自デザインにカスタマイズできる、コンテンツをバックアップして他のシステムに移行できる、という3つの条件をすべて満たす場合に限っては、利用することは可です。
ただし、やはり開業前後の忙しい場合など、暫定的な利用にしておいた方がよいと思います。

独自ドメインが利用できないと?

独自ドメインで利用できない場合には、仮にコンテンツがバックアップできたとしても、他のレンタルサーバーなどに移行する際に、ユーザー(閲覧者)を迷わせます。
なによりも、検索エンジンの評価を移行後のサイトに引き継ぐことができません。

独自デザインにカスタマイズができないと?

独自デザインができない場合には、開業した事務所のブランディングができません。
無料ブログそのままのデザインでは、安っぽく見えますし、必要なメニューなどをうまく掲載することができません。
広告が勝手に入ってしまっては問題であるとも思います。

また、無料ブログはたいていの場合、日記のように、最新記事ほど上に表示されるページが生成されます。
事務所のブログであればまだしも、事務所のウェブサイトには不向きです。

2 有料CMSサービスを利用する

WordPressはサポートもなく、特定の会社が提供するものではないため、クラウド型のWordPressサービスというものはありません。
仮に、WordPressを設置したレンタルサーバーの運用管理を代行してもらおうとしたら、費用を支払ってそのような会社にやってもらうこととなるでしょう。

オススメはクラウド型MovableTypeサービス

そこで、おすすめできるのは、MovableTypeを開発し提供している、シックスアパート社が提供する有料のクラウド型MovableTypeサービスです。
有料とはいっても、レンタルサーバー代より少しかかる程度のものですし、なによりもアップグレードやセキュリティ対策などのメンテナンスをやってもらえます。

独自ドメインやテンプレートの変更、カスタマイズ編集なども自由に行えます。
その一方で、無料ブログサービスと同じ感覚で、システムのことを深く知らなくても、記事を書き込んだり編集したり、コンテンツを編集したりすることができます。

もう1つのオススメは、メンテナンスサポート付きMovableTypeがあるレンタルサーバー

同じ考え方の方法として、レンタルサーバー会社が提供するサーバーに、簡単にMovableTypeがインストールできるだけでなく、シックスアパート社のメンテナンスが付加されたサービスがあります。
このサービスを利用した場合にも、シックスアパート社が提供するクラウド型と同じメリットがあります。

WordPressを簡単にインストールできるだけでなく、アップグレードやセキュリティ対策などのメンテナンスが付加されたサービスがあるならば、同程度のメリットがあると思います。

その他にも、国産のCMSで、クラウドで利用できるサービスがあります。

3 レンタルサーバーを設置してCMSをインストールする方法

アップグレードやセキュリティ対策など、自分でメンテナンスして管理できる場合には、レンタルサーバーを借りてCMSを設置することができます。
レンタルサーバー会社や利用するプランにもよりますが、費用的にはかえって安くすみます。

複数ドメインで複数サイトを運営できるのが強み

また、複数のドメインを設定し、それぞれにCMSを設置して、サイトを複数運営できるのも利点です。
士業を開業し、あるいはその他の業種の事業者でもそうですが、コーポレートサイト以外に、主力のサービスについて専門サイトを制作し運営することは、顧客の獲得や、検索エンジン対策(SEO)の面からも有利です。

CMSを選ぶ注意点

CMSを選ぶ注意点としては、価格だけを見るのではなく、そのCMSがどの程度普及していて、永続性があるかという点があげられます。

なお、単にCMSを利用した経験だけではなく、既にテンプレートを編集し、デザインなどをカスタマイズできる知識、技能をお持ちの場合には、その点を重視して選んでよいと思います。
たとえば、WordPressのテンプレートを編集できる程度にはphpのプログラムの知識がある場合、あるいはMovableTypeのテンプレートを編集できる程度にMTタグ(MovableType独自のタグ)等の知識がある場合です。

ちなみに、筆者はMovableTypeが日本語化され、日本法人ができたて間もない(現在は日本の会社のものとなっています)、2004年からMovableTypeを使用していますので、特におすすめしているという面はあります。

セキュリティ面での注意点

サイトのアクセスを調べるには、googleアナリティクスや、その他のアクセスログ解析ソフトを利用することができます。
このソフトを使えば、サイト内のどのページに、どこから閲覧者が来たかを知ることはできます。

しかし、解析できるアクセスは、ページごとに設置したアクセス解析タグにより判別できるものであるため、存在しないページ(URL)へのアクセスはわかりません。
たとえば、サーバーに対する無差別アクセス、WordPressなどのログイン画面、管理画面、データベースへの無差別アクセスなどは、これではわかりません。

しかし、レンタルサーバー会社や利用プランにもよるかもしれませんが、サーバーへのアクセスを見ることができる解析ソフトが利用できるならば、このようなアクセスを知ることができます。

筆者の借りているレンタルサーバーでは、存在しないページに対するエラーである404エラーなども、サーバーへのアクセスの解析ソフトで確認することができます。

WordPressを標的とした無差別アクセスは高頻度

筆者は、WordPressを利用せず、インストールしていないにもかかわらず、ログイン画面、管理画面、データベースへの無差別アクセスが、相当な頻度であることがわかります。
99%以上はWordPressが設置されているかもしれないURLに対する無差別アクセスです。

よく、企業や自治体などからの個人情報流出がニュースになりますが、これらの多くは、人為的持ち出しなどのハードウェアそのものの流出か、CMSやOSなどの脆弱性をついた流出によるものといわれます。
WordPressが個人では圧倒的シェアでありながら、上場企業ではMovableTypeや、同じく国産CMSのHeartCoreなどであることも、セキュリティリスクの大きさを物語っています。

サイトは自分で制作した方がいい理由について解説!-2022年06月24日

ウェブサイトの制作は、外注することもできますが、予算の面から考えても、自分で行うべきであると考えます。
その理由は、スキルの習得と、今後はあらゆる業種においてIT知識と技能が必須になるからです。
しかしそれ以外にも、自分で制作するメリットはたくさん!

特に士業やコンサルタントのように、その人の属人性が強い業種の場合にはメリットがあります。
そこで、サイト制作・運営は自分で行うべき理由を、資格取得後20年超にわたり、すべて自分で行ってきた弁理士が解説します。

サイトのコンテンツ制作は、知識の整理と、実務の習得になる

サイトを制作するためには、文章を書かなければなりませんが、この作業は、これまでに学んだ知識を整理し、再度勉強することにつながります。
士業であれば、資格試験で勉強した法律の知識を、あらためて整理することができます。

しかしそれだけではありません。

士業の実務は、これまでに学んだ法律そのものではありません。

たとえば、弁護士や行政書士であれば、民法や会社法などを学んでも、ウェブサイトに掲載するコンテンツは、会社設立であったり、契約や、離婚や、相続などといった、閲覧者そして顧客に提供するサービスメニューとなります。

弁理士であれば、特許法や商標法などを学んでも、ウェブサイトに掲載するコンテンツは、特許出願や商標登録出願にあたっての必要事項であったり、法律にある拒絶理由ではなく、具体的にどのようなものは登録が認められないかの実例であったりします。

司法書士の場合には、かなり実務に近い試験問題は勉強するものの、ウェブサイトに掲載するコンテンツは、不動産登記法、商業登記法、供託法といった法律ごとのメニューではありません。

実社会での需要に応じ、サービスメニューごとに整理しなければなりません。

サイトの文章執筆は、顧客とのコミュニケーションの練習となる

ウェブサイトの閲覧者、顧客は、必ずしも法律知識が豊富とは限りません。
仮に法律知識が豊富であっても、法律の条文のような堅苦しい文章は読みにくく、頭にすんなり入ってきにくいものです。

検索エンジンも、専門家の難しい文章はわかりやすいものにすることを推奨しています。

難しい法律知識や、実務の知識を、その内容の正確性を失わずに、やさしい平易な言葉に置き換えて相手に伝えることは、顧客とのコミュニケーションにおいて常に求められるものです。
このことを、士業者は心しておく必要があります。

ウェブサイトの文章をわかりやすいものにしようとする作業を通じて自然にこのスキルが身につきます。

費用の節約となる

冒頭にも書きましたが、ウェブサイトの制作・運営を自分で行うようにすれば、当然、外注費はかかりません。

文章はもちろんですが、画像やテンプレートの修正なども、自分で行うようにするべきだと思います。

サイトを修正する場面はこんなにある!

たとえば、事務所の提供メニューを増やしたり、新サービスを提供するくらいのことでも、テンプレートのメニューの表示部分を変更する必要があります。

PC用のサイトから、携帯電話用のサイト、スマートフォン用のサイトへと、自分が望まなくてもウェブの環境や技術の変化により、対応しなければならないこともあるでしょう。
HTMLなどの仕様の変更があるかもしれません。
検索エンジンの仕様の変更への対応も必要となるかもしれません。

そのたびに、外注費がかかるのでは大変です。
また、外注先の選定やスケジュールの関係で、臨機応変な対応をすることが難しくなります。
これらの作業を自分で行えるようになっていれば、費用も掛からず、臨機応変に対応することが可能になります。

今後はあらゆる業種、士業においても、IT知識と技能が必須になる

今後、あらゆる業種、すべての士業者にとっても、ITやWEBの知識、技能は必須になります。

なにもプログラマーにまでならなくてもよいのですが、単にブログサービスを利用できる、既成のソフトの利用ができる、ネット検索がうまくなるといった程度のリテラシーだけではなく、もう一段上を目指しましょう。

身に付けるのが望ましいスキル

自分で文章を書くことの効用については、前述しましたが、画像やバナー、HTMLやCSS (スタイルシート)、できればテンプレートのカスタマイズでいじる程度のプログラムなどは、自分で作業できるのが望ましいといえます。

CMSとはいっても、サーバーにFTPでアクセスし、ファイルを削除したりすることや、アクセス制御やページ移転などに使う「.htaccess」などのファイル、パスワードで保護されたページ、メール送信フォームなどの取り扱い程度もできるようになるのがよいでしょう。

もともと知識のない人であれば、最初からあれもこれもは無理、その点はやむをえません。
何年か運営して、必要に応じいろいろ行って行くうちに、自然に身についていくものです。
もちろん、書籍やウェブなどで勉強することは必要です。

環境も変化する

経理も、帳簿から、パソコンソフト、そしてクラウドのものへと進化しています。
(PCソフトがいいか、クラウドがいいかは別ですが)

SNSが登場し、次々と新しいサービスがリリースされ、流行や趨勢は常に変化しています。

士業は電子化が必須

行政は電子化が進みます。

弁理士は、早くからオンライン出願、インターネット出願がされてきましたが、各種の行政手続きや登記、税務申告などの分野でも、オンライン申請の普及が進みます。
弁理士や特許技術者でも、IT分野が専門ではない場合であっても、IT化やデータの利活用は、他のあらゆる分野で進みます。

筆者は、開業2年目の2001年にすべての書類の電子保存に取り掛かりましたが、事務所内の電子化も早い段階から行うのがよいでしょう。
その際に、バックアップ、BCP(事業継続計画)についても頭に入れておく必要があります。

スキルを活かして副業もできる体制を作れる

こうしてさまざまなスキルを身に付けると、そのスキルを副業に活かせるかもしれません。

開業当初から副業を考えるのではなく、特に最初のうちは本業の実務を習得し顧客獲得に専念するべきです。

もっとも事情によっては、最初は経営的に不安定なため、副業も行うというケースはあるでしょう。
士業の開業当初から、IT系、ウェブ系の副業をこなせるだけの技能があれば、本業とのメリハリさえつければ問題ないかもしれません。
ただし、士業との副業は、事務所で空いた時間にできるなど、不在にならないような職種であるべきです。本業を留守にしてしまっては、本末転倒になりかねません。

副業の単価はスキル次第

ウェブライターなどは、実績と専門性をもっていないと、単価が低く割にあいません。
プログラミングや翻訳など、単価が高い副業であるならばよいでしょう。
経営不振になってから、スキルを身に付けようとしたのでは、割に合わない仕事しかできません。

したがって、結論としては、特別な事情がない限り、本業にまい進しながら、本業のサイト制作などで自然とスキルを身に付けていくのが正解です。

士業者であっても事業内容は自由

スキルが身についた後は、そのまま本業だけにスキルを活用するのか、並行して副業も行うのか、もともとスキルがあって最初から二本立てでの開業をするのか、それは自由です。
士業者といえども、弁護士法、行政書士法などの各業法に書かれている業務だけしかやってはいけないということはありません。

自分のコンテンツは資産になる

自分が書いた文章や、デザインしたサイトデザインなどは、資産になります。
後から別のものに利用したり、改変したりすることもでき、思わぬところで活用できる場合があります。

たとえば、サイトを分けて別の専門サイトを開設する場合や、電子出版物にして配布等する場合、サイトのデザインやテンプレートを別の形で利用する場合などに、もとからある資産を活用できるのはメリットです。

したがって、士業でも大事務所や、一般の企業などでウェブ制作を外注する場合であっても、文章などのコンテンツは所内、社内で制作するなど、自前のコンテンツを蓄積することが大切です。

自分で書いた文章などは、思考しながら自分の表現で創作したものです。

外注しても著作権ごと納品してもらえば同じだと思うかもしれません。
しかし、後に改変しようとする際に、しっくりこない場合もあるでしょう。厳密にいえば、著作権は譲渡できても、著作者人格権(無断改変など)は譲渡できません。

ITやウェブ系の副業をしようと考えたときに、サイトが自分で制作したものであれば、それがそのままポートフォリオにもなります。

さあ、始めましょう

以上、難しくいろいろ書いてきましたが、最初にサイト制作する際には、クラウド型CMSサービスや、レンタルサーバーに設置したCMSを利用して、サイトを制作するだけです。

必要に応じ、記事を書いたり、メニューを増やしたり、デザインの修正をするためにテンプレートの変更をしたりする程度です。

必要に応じ勉強し、新しい知識を増やしていくだけです。

どっちみち、新しい技術や、新しいウェブサービスが次々と登場し、進化していくので、やらないという手はありません。


■このページの著者:金原 正道

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