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社会保険労務士試験-ariadnet

社会保険労務士とは-2022年06月16日

社会保険労務士は、労働保険、社会保険などの行政手続きの書類作成や提出、労務コンサルティングなどを行う法律隣接職種です。
依頼者に代わって、労働及び社会保険に関する手続きを行い、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上のための相談・助言等を行う専門家です。

社会保険労務士の使命と職責

社会保険労務士法第1条では、社会保険労務士の制度を定めて、その業務の適正を図り、もって労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資することを目的とするとしています。

社会保険労務士の業務

書類作成業務

行政書士は、労働及び社会保険に関する法令(労働社会保険諸法令)に基づいて申請書等を作成することを業とします。

申請書等には(行政機関等に提出する申請書、届出書、報告書、審査請求書、再審査請求書その他の書類が含まれます。

ただし、その事務を行うことが他の法律において制限されている事務、労働社会保険諸法令に基づく療養の給付、及びこれに相当する給付の費用についてこれらの給付を担当する者のなす請求に関する事務は除きます。

提出代理業務

社会保険労務士は、申請書等について、その提出に関する手続を代わってすることができます。

申請代理業務

社会保険労務士は、労働社会保険諸法令に基づく申請、届出、報告、審査請求、再審査請求その他の事項について、代理することができます。
ただし、厚生労働省令で定めるものに限ります。

さらに社会保険労務士は、申請等に係る行政機関等の調査もしくは処分に関し、当該行政機関等に対してする主張、陳述(厚生労働省令で定めるものを除く。)について、代理することができます。

申請等には、労働保険・社会保険の適用、年度更新、基礎算定届や各種助成金などの申請があります。

ただし、その事務を行うことが他の法律において制限されている事務、労働社会保険諸法令に基づく療養の給付、及びこれに相当する給付の費用についてこれらの給付を担当する者のなす請求に関する事務は除きます。

帳簿書類作成業務

社会保険労務士は、労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類(電磁的記録を含む)を作成することができます。

労働者名簿、賃金台帳、就業規則などの帳簿書類のほか、36協定の作成、変更などの書類作成業務も行います。

相談・指導業務

社会保険労務士は、事業における労務管理、その他の労働に関する事項、労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、相談に応じ、または指導することができます。

特定社会保険労務士関連業務

紛争解決手続代理業務試験に合格し、かつ、第十四条の十一の三第一項の規定による付記を受けた特定社会保険労務士は、次の紛争解決手続代理業務を行うことができます。

個別労働関係紛争の調停での当事者代理業務

社会保険労務士は、次の業務について、紛争当事者を代理することができます。

個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第六条第一項の紛争調整委員会における同法第五条第一項のあつせんの手続
障害者の雇用の促進等に関する法律第七十四条の七第一項、
労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第三十条の六第一項、
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第十八条第一項、
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第四十七条の八第一項、
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第五十二条の五第一項
短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律第二十五条第一項
の調停の手続について、紛争の当事者を代理すること。

個別労働関係紛争のあっせん手続での当事者代理業務

地方自治法第百八十条の二の規定に基づく都道府県知事の委任を受けて都道府県労働委員会が行う個別労働関係紛争(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第一条に規定する個別労働関係紛争に関するあっせんの手続について、紛争の当事者を代理すること。

個別労働関係紛争の仲裁手続での当事者代理業務

個別労働関係紛争(紛争の目的の価額が百二十万円を超える場合には、弁護士が同一の依頼者から受任しているものに限る。)に関する民間紛争解決手続(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律)であって、個別労働関係紛争の民間紛争解決手続の業務を公正かつ適確に行うことができると認められる団体として厚生労働大臣が指定するものが行うものについて、紛争の当事者を代理すること。

個別労働関係紛争のあっせん手続・仲裁手続の相談・和解・契約締結業務

特定社会保険労務士は、次の紛争解決業務を行うことができます。

一 第一項第一号の四のあつせんの手続及び調停の手続、同項第一号の五のあつせんの手続並びに同項第一号の六の厚生労働大臣が指定する団体が行う民間紛争解決手続(以下この項において「紛争解決手続」という。)について相談に応ずること。

二 紛争解決手続の開始から終了に至るまでの間に和解の交渉を行うこと。

三 紛争解決手続により成立した和解における合意を内容とする契約を締結すること。

行政書士でない者による業務の禁止

社会保険労務士、社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、第二条第一項第一号から第二号までに掲げる事務を業として行うことが禁じられています(社会保険労務士法第27条)。
ただし、他の法律に別段の定めがある場合、政令で定める業務に付随して行う場合は、この限りではありません。

名称独占

社会保険労務士でない者は、「社会保険労務士」またはこれに類似する名称を用いてはなりません。
社会保険労務士法人でない者は、「社会保険労務士法人」またはこれに類似する名称を用いてはなりません。

社会保険労務士会または連合会でない団体は、「社会保険労務士会」、「全国社会保険労務士会連合会」、またはこれらに類似する名称を用いてはなりません。

行政書士は行政書士会に所属します

社会保険労務士となる資格を有する者が社会保険労務士となるには、社会保険労務士名簿に、氏名、生年月日、住所その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければなりません。

他人の求めに応じ報酬を得て、第二条に規定する事務を業として行おうとする社会保険労務士は、事務所を定めて、あらかじめ、社会保険労務士名簿に、前項に規定する事項のほか、事務所の名称、所在地その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければなりません。

事業所に勤務し、第二条に規定する事務に従事する勤務社会保険労務士は、社会保険労務士名簿に、氏名、生年月日、住所その他の事項のほか、当該事業所の名称、所在地その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければなりません。

社会保険労務士名簿は、全国社会保険労務士会連合会に備えられ、登録は全国社会保険労務士会連合会が行います。

社会保険労務士の登録を受けようとする者は、所定の事項を記載した登録申請書を、社会保険労務士となる資格を有することを証する書類を添付の上、厚生労働省令で定める社会保険労務士会を経由して、連合会に提出しなければなりません。

社会保険労務士会および全国社会保険労務士会連合会

社会保険労務士は、厚生労働大臣の認可を受けて、都道府県の区域ごとに、会則を定めて、一個の社会保険労務士会を設立しています。

社会保険労務士会は、会員の品位を保持し、その資質の向上と業務の改善進歩を図るため、会員の指導及び連絡に関する事務を行うことを目的とする法人です。

社会保険労務士会の会則には、会議に関する規定、会員の品位保持に関する規定、社会保険労務士の研修に関する規定などが定められ、社会保険労務士会は主として会員が納める会費により運営されています。
社会保険労務士会の会則を定め、または変更するには、所定の場合を除いては、厚生労働大臣の認可を受けなければなりません。

全国の社会保険労務士会は、厚生労働大臣の認可を受けて、会則を定めて、連合会を設立しています。
全国社会保険労務士会連合会は、社会保険労務士会の会員の品位を保持し、その資質の向上と業務の改善進歩を図るため、社会保険労務士会及びその会員の指導・連絡に関する事務、社会保険労務士の登録に関する事務を行うほか、試験事務、代理業務試験事務を行うことを目的としています。

社会保険労務士になるには

次のいずれかに該当し、労働社会保険諸法令に関する厚生労働省令で定める事務に従事した期間が通算して二年以上になるもの又は厚生労働大臣がこれと同等以上の経験を有すると認めるものは、社会保険労務士となる資格を有します。

一 社会保険労務士試験に合格した者
二 第十一条の規定による社会保険労務士試験の免除科目が第九条に掲げる試験科目の全部に及ぶ者

弁護士となる資格を有する者は、前項の規定にかかわらず、社会保険労務士となる資格を有します。

社会保険労務士の義務

社会保険労務士は、その業務を行うための事務所を設けなければなりません。

他人の求めに応じ報酬を得て業務を行う社会保険労務士は、その業務を行うための事務所を二以上設けてはなりません。
ただし、特に必要がある場合において厚生労働大臣の許可を受けたときは、この限りではありません。

社会保険労務士法人の社員は事務所を設けることはできません。

社会保険労務士は、不正に労働社会保険諸法令に基づく保険給付を受けること、不正に労働社会保険諸法令に基づく保険料の賦課・徴収を免れることその他労働社会保険諸法令に違反する行為について指示をし、相談に応じ、その他これらに類する行為をしてはなりません。

社会保険労務士は、社会保険労務士の信用又は品位を害するような行為をしてはなりません。

開業社会保険労務士は、帳簿を備え付け、保存するとともに、正当な理由がある場合でなければ、依頼(紛争解決手続代理業務に関するものを除く。)を拒んではなりません。行

開業社会保険労務士または社会保険労務士法人の社員は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、または盗用してはなりません。

開業社会保険労務士または社会保険労務士法人の社員でなくなった後においても同様です。

社会保険労務士は、その所属する社会保険労務士会、全国社会保険労務士会連合会の会則を守らなければなりません。
さらに所属する社会保険労務士会、全国社会保険労務士会連合会が実施する研修を受け、その資質の向上を図るように努めなければなりません。

社会保険労務士試験

社会保険労務士試験は、社会保険労務士となるのに必要な知識及び能力を有するかどうかを判定することを目的とし、次に掲げる科目について行われます。

一 労働基準法及び労働安全衛生法
二 労働者災害補償保険法
三 雇用保険法
三の二 労働保険の保険料の徴収等に関する法律
四 健康保険法
五 厚生年金保険法
六 国民年金法
七 労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識

社会保険労務士試験は、毎年一回以上、厚生労働大臣が行います。
厚生労働大臣は、全国社会保険労務士会連合会に社会保険労務士試験の実施に関する事務を行わせることとして、「全国社会保険労務士連合会試験センター」が行っています。

社会保険労務士試験の日程と内容-2022年06月16日

社会保険労務士試験は、社会保険労務士となるのに必要な知識及び能力を有するかどうかを判定することを目的とし、次に掲げる科目について行われます。

一 労働基準法及び労働安全衛生法
二 労働者災害補償保険法
三 雇用保険法
三の二 労働保険の保険料の徴収等に関する法律
四 健康保険法
五 厚生年金保険法
六 国民年金法
七 労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識

社会保険労務士試験は、毎年一回以上、厚生労働大臣が行います。
厚生労働大臣は、全国社会保険労務士会連合会に社会保険労務士試験の実施に関する事務を行わせることとして、「全国社会保険労務士連合会試験センター」が行っています。


社会保険労務士試験オフィシャルサイト 外部サイトへ 全国社会保険労務士連合会試験センター

社会保険労務士試験の内容


試験科目

試験は、次表の科目について行われます。

試験科目選択式 計8科目(配点)択一式 計7科目(配点)
労働基準法及び労働安全衛生法1問(5点)10問(10点)
労働者災害補償保険法
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
1問(5点)10問(10点)
雇用保険法
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
1問(5点)10問(10点)
労務管理その他の労働に関する一般常識1問(5点)10問(10点)
社会保険に関する一般常識1問(5点)
健康保険法1問(5点)10問(10点)
厚生年金保険法1問(5点)10問(10点)
国民年金法1問(5点)10問(10点)
合計8問(40点)70問(70点)

選択式では「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」からの出題はありません。
択一式の「労働者災害補償保険法」及び「雇用保険法」は、各10問のうち問1~問7が「労働者災害補償保険法」及び「雇用保険法」から出題され、問8~問10の3問(計6問)が「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」から出題されます。

合格基準

合格基準点は、選択式試験及び択一式試験のそれぞれの総得点と、それぞれの科目ごとに定めます。
各成績のいずれかが合格基準点に達しない場合は不合格となります(合格基準点は、合格発表日に公表されます。)。

受験手数料

15,000円(払込みに係る手数料は受験申込者負担となります。)

受験申込期間

「社会保険労務士試験の実施について」の厚生労働大臣の官報公示(毎年4月中旬)が行われてから5月31日までの間。

社会保険労務士試験の難易度、勉強時間と、過去問題-2022年06月15日

社会保険労務士試験は、士業の資格の中では、比較的合格しやすいものといえます。
とはいえ、試験範囲は社会保険や労働保険など、専門的な知識を広く、深く問われます。

出題の傾向としては、解答は全てマークシート記入式で行われ、一見簡単に思えるかもしれませんが、細かい論点を問われる出題も多くあります。

社会保険労務士試験は、選択式の試験時間80分、択一式の試験時間210分が1日で行われ、選択式・択一式ともに合格基準点を満たすことが必要なため、気を抜けない試験であるといえます。
合格率は近年、5~7%程度で推移しています。意外に難しい試験であるともいえるでしょう。

もともとの法律知識や一般知識がどの程度あるかの個人差がありますので、必要な勉強時間はいちがいにはいえません。
1000時間程度あるいはもっと早く合格ラインに達する人もいることと思われます。

1年での合格を目指すスケジュールを組み、駄目なら再挑戦という勉強法がよいのではないでしょうか。

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過去10年の推移と合格者の年齢階層別・職業別・男女別割合[PDF] 外部サイトへ社会保険労務士試験オフィシャルサイト

社会保険労務士試験の出願傾向の特徴

社会保険労務士試験は、その出願傾向の特徴をあげれば、下記の3点に集約されると思います。

試験時間80分+210分で次々に解答しなければならない

選択式の試験時間は8科目40問で80分、択一式は7科目70問で210分と、試験時間が長く気が抜けない試験です。
集中力と、ケアレスミスのない解答が必要なため、多科目をまんべんなく勉強し、回答する訓練が必要といえます。

試験科目が多く実務的な知識が求められる。

社会保険労務士試験の科目は、実務に関わる法令を広く問われます。

労働基準法および労働安全衛生法
労働者災害補償保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む)
雇用保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含。)
労務管理その他の労働に関する一般常識
社会保険に関する一般常識
健康保険法
厚生年金保険法
国民年金法

合格基準点は各科目ごと、かつ全体でクリアする必要がある

選択式試験の合格基準点は、40点のうち24点以上で、各科目5点中のうち2-3点以上
択一式試験の合格基準点は、70点のうち45点以上で、各科目10点中4点以上
(試験年度による)

以上の特徴から、社会保険労務士試験では、幅広い試験科目の法令について、まんべんなく知識を暗記し、取りこぼしのないように解答ができる勉強をしなければなりません。

選択式試験・択一式試験の配分

試験科目選択式 計8科目(配点)択一式 計7科目(配点)
労働基準法及び労働安全衛生法1問(5点)10問(10点)
労働者災害補償保険法
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
1問(5点)10問(10点)
雇用保険法
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
1問(5点)10問(10点)
労務管理その他の労働に関する一般常識1問(5点)10問(10点)
社会保険に関する一般常識1問(5点)
健康保険法1問(5点)10問(10点)
厚生年金保険法1問(5点)10問(10点)
国民年金法1問(5点)10問(10点)
合計8問(40点)70問(70点)

選択式では「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」からの出題はありません。
択一式の「労働者災害補償保険法」及び「雇用保険法」は、各10問のうち問1~問7が「労働者災害補償保険法」及び「雇用保険法」から出題され、問8~問10の3問(計6問)が「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」から出題されます。

選択式試験の出題例

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択一式試験の出題例

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社会保険労務士試験問題に見るテキスト選びの基本

かつては法律の資格試験といえば、各科目の法律の基本書を使うのが一般的でしたが、それでは少々時間がもったいなさすぎます。

まずは社会保険労務士試験用のテキストで勉強し、勉強がある程度進んだ段階になってから、過去問や模試などに進めるというのが、早期合格のためには効率がよさそうです。

出題範囲となる法令はまんべんなく勉強し、過去問などの解答を繰り返しては、間違ったところを確認して学び直す、これらはスキマ時間も活用して勉強するなど、時間を有効に使うことが早道です。


https://www.sharosi-siken.or.jp/results/ 外部サイトへ社会保険労務士試験オフィシャルサイト

令和5年度選択式試験問題[PDF] 外部サイトへ社会保険労務士試験オフィシャルサイト

令和5年度択一式試験問題[PDF] 外部サイトへ社会保険労務士試験オフィシャルサイト


関連ページ:

もっと詳しく 社会保険労務士試験のための教材・テキストと勉強法


■このページの著者:金原 正道

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