行政書士の就職と転職の方法-2022年07月04日
行政書士の資格を取得したら、就職や転職についてはどのように考えたらよいでしょうか?
行政書士事務所で働きたい、独立の実務を覚えたい、ゆくゆくは独立したいという人も多いことでしょう。
一方で、既に行政書士事務所に勤務している、あるいは一般の企業などで働いている人もいると思います。
行政書士は、資格を取得しても就職が少ないともいわれます。
たしかに、求人サイトなどで有資格者の人材を募集している事務所は大都市など一部の比較的大きな事務所などに限られます。
しかしもう少し広い視点で見てみると、資格を活用する道は、ほかにもあるはず。
そこで、行政書士資格を取得後に、就職に生かす方法について説明します。
求人サイトでの募集は、大都市の事務所など比較的大きな事務所が多い
試しに、いくつかの求人サイトで、行政書士で求人を検索してみると、東京など大都市で、大手行政書士事務所の求人が出ていたりします。
また、地方都市でも、正社員の行政書士勤務者を募集していることがあります。
一方で、行政書士資格保有者歓迎とありながら、時給計算の事務職員募集である求人も目につきます。
勤務地など、条件に合えば、これら行政書士事務所の求人に応募してみることはよいでしょう。
とにかく行政書士事務所で働きたい、実務を行いたいということであれば、まずは事務所に勤務することは早道であるからです。
ただし、年収などの面での待遇も重要です。
正所員として世の中一般の正社員並みの待遇はほしいという希望も、ごく普通の考えです。
行政書士事務所は、大手クライアントを恒常的に抱えていたり、東京都庁など大きな役所の近隣に事務所を構え、大量に案件をこなしている事務所もありますが、平均的には小規模な事務所が多いものです。
すると、必ずしも希望するような事務所への就職は、簡単ではないかもしれません。
求人はいろいろあるものの、毎年の試験合格者がみなこうした事務所に就職できるだけの求人はなさそうに思えます。
求人サイトでの募集は、一般企業の法務、総務、人事、経理、労務などの求人も見てみる
しかし、もう少し視野を広げて求人サイトを見てみると、一般企業や、社団法人などの団体でも、行政書士資格を生かせそうな職種があることに気づきます。
中には、行政書士資格者歓迎といった求人を見ることもあります。
たとえば、一般企業の法務、総務、人事、経理、労務などは、直接には行政書士業務を行うものではなくても、仕事の性質上、資格取得で得た自分の知識を生かしたり、逆に実務的な知識を得られたりすることができる職種がないわけではありません。
また、建設業などのように、行政手続きをしばしば行う業種では、官公庁への申請業務に関与することができるかもしれません。
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独立開業を考えている人は、地域の同業の先輩事務所の手伝いや、事務職員も
正所員での就職ではない場合、待遇が不安定であることは否めません。
しかしゆくゆくは独立開業を考えている人にとっては、契約社員や、時給計算での事務職員、なんらかのつてのある行政書士事務所での仕事の手伝いのような形であっても、実務を覚えたいことがあるかもしれません。
行政書士は各都道府県の行政書士会があります。
大都市では市や区の行政書士会があり、行政書士会に加入してさまざまな会合や勉強会などに出ることにより、同業者の知り合いも増え、先輩行政書士の仕事の手伝いなどの口を世話してもらえる場合があります。
これらは、実際に自分で動いてみないことにはなんともいえませんが、求人サイトには募集を出さなくても、縁故で収入の道を見つけられるケースがあります。
他士業者の事務所勤務は、ときには狙い目
弁護士事務所、司法書士事務所、税理士事務所など、他士業者の事務所で、事務職員などとして就職する方法があります。
行政書士資格を保有していることを面接の場でアピールし、いくらか採用に有利になるかもしれません。
その他士業者の考え方や事務所の方針、求人の内容などにもよりますが、うまくいけば、行政書士としての仕事をしながら勤務してもよいという条件を得られる可能性もあります。
既に会社などに勤務中の場合
会社に勤務しながら行政書士試験に合格した場合には、既に勤務している状況にあります。
この場合、勤務先が行政書士資格保有者を歓迎するような職種、制度であれば、行政書士資格を取得したことを報告することができます。
もしかしたら、職種の異動などを希望できる可能性がなくはありません。
ただし、行政書士として独立してしまうつもりではないか等、勘ぐられるおそれがある場合には、勤務先には言わないでそのまま勤続するか、転職を考えるかした方がいいケースはありえます。
副業として行政書士業務を開始する方法は?
勤務先が副業を禁止していない場合には、独立開業を考える人にとってはチャンスでもあります。
たとえば、土曜日、日曜日、夜間などに、副業として行政書士業務を行うことが考えられます。
ただし勤務先での仕事の影響が出ないような働き方、仕事の種類しかできない可能性はあります。
たとえば、契約書や遺言書の作成業務、単発の申請業務、補助金申請業務などは、副業として取り組みやすい業務かもしれず、業務範囲を限定して行うなどの方法が考えられます。
また、副業を禁止されていない場合には、仕事が休みの日には、前述した、先輩行政書士事務所の仕事の手伝いをするといったことも考えられます。
その他、当サイトでは、士業者の副業についても触れており、IT、WEBや翻訳などのスキルを保有することが自分の資産になることを解説しています。
副業のスキルや仕事の取引先を確保しておいてから、行政書士として独立開業するという逆転の発想もあります。
ただし準備は万全にしなければなりません。
また、行政書士実務をどこかで覚えなくてはならないことには留意が必要です。
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■このページの著者:金原 正道