弁理士試験の難易度、勉強時間と、過去問題 |2022年06月14日
弁理士試験は、難関資格で、勉強時間が3000時間程度は必要だといわれています。
合格率は近年、4~5%程度で推移しています。
令和3年度弁理士試験の結果概要
(1)志願者数 3,859 人 (前年度 3,401 人)
(2)受験者数 3,248 人 (前年度 2,947 人)
(3)受験率(受験者数/志願者数) 84.2 % (前年度 86.7 %)
(4)合格者数 199 人 (前年度 287 人)
(5)合格率(合格者数/受験者数) 6.1 % (前年度 9.7 %)
(6)合格者平均受験回数 3.7 回 (前年度 4.1 回)
合格者の内訳
年齢別
20代: 23.1%、30代: 43.7%、40代: 23.1%、50代: 8.0%、60代: 2.0%
最年少20歳、最年長67歳
職業別
会社員: 48.7%、特許事務所: 27.1%、無職: 7.5%、公務員: 6.5%、学生: 3.5%、
自営業: 2.5%、法律事務所: 1.0%、教員: 0.0%、その他: 3.0%
男女別
男性: 66.8%、女性: 33.2%
出身校系統別
理工系: 76.4%、法文系: 18.6%、その他: 5.0%
受験(免除)種別
短答受験者: 31.7%、短答試験免除者: 63.3%、筆記試験免除者: 2.5%、
工業所有権法免除者: 2.5%
3年以内での合格を目指す、あるいは2回目で合格できるならば、短期合格といえるのではないでしょうか。
弁理士試験の出願傾向の特徴
弁理士試験は、その出願傾向の特徴をあげれば、下記の2点に集約されると思います。
出題範囲の専門性
短答式試験は、択一式とはいいながら、「正しいものはいくつかあるか」問題など、択一の肢の1つ1つを正確に判断しなければなりません。
また、特許法や商標法などは、法令(条文)に非常に長く、要件の込み入ったものがあるため、法令集と「工業所有権法逐条解説」、テキストを相当読み込まなければ、正確な理解が進みません。
加えて、いずれの法律にも実体法と、手続法との側面があり、さらに国際出願や、条約などもあるため、専門性の高い知的財産という法領域ながら、覚えることがたくさんあります。
また出題数は少ないながらも、著作権法、不正競争防止法まで勉強しなければなりません。
法令集と「工業所有権法逐条解説」、テキストを繰り返し学習し、理解が進んだら短答式の過去問や予備校の問題などを解いていく勉強が必要です。
論文試験の負担の大きさ
短答式の問題で一定の水準、合格ラインに近づくくらいには、論文の勉強も並行して行うことが必要です。
論文試験は、特に特許法などは、複雑な長文の問題で、それに対する設問の数がいくつもあるなど、ひと昔前のようにレジュメの暗記に重点を置いていた勉強法だけでは、対応が難しいこともありそうです。
必ずしも長文の回答ではなくてもよいので、設問の状況を正確に判定し、条文の要件や、例外がないかどうかなども含め、漏れのない根拠条文を判断し、必要に応じ場合分けして解答をすることが求められます。
応用力が必要なほか、時間内に解答しなければなりません。
短答式試験、論文試験のいずれも、かなりの関門といえるのではないでしょうか。
弁理士試験問題に見るテキスト選びの基本
弁理士の資格試験といえば、各科目の法律の基本書を使うのが一般的でしたが、近年では弁理士受験予備校のテキストで済ませる人も見聞きします。
ただし、公式のテキストといえる「工業所有権法逐条解説」と、これでカバーされていない法改正についての改正本は、必須です。
基本書については、弁理士試験用にまとめられたテキストだけでは不明な点などを参照するために、主要なものは持っておいた方がいいとは思います。
法令集と「工業所有権法逐条解説」、弁理士試験用のテキスト、短答式の過去問、論文のレジュメなどを主体に勉強を進めるのが、効率がよいでしょう。
令和4年度弁理士試験問題(短答式試験)
特許法・実用新案法
特許法・実用新案法
意匠法
商標法
条約
著作権法・不正競争防止法
令和4年度弁理士試験問題 特許庁
令和4年度弁理士試験問題[PDF] 特許庁
令和3年度弁理士試験問題(論文試験)
特許・実用新案
特許・実用新案
意匠
商標
過去の試験問題 特許庁
令和3年度弁理士試験論文式筆記試験問題(特許・実用新案)[PDF] 特許庁
令和3年度弁理士試験論文式筆記試験問題(意匠)[PDF] 特許庁
令和3年度弁理士試験論文式筆記試験問題(商標)[PDF] 特許庁
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■このページの著者:金原 正道