行政書士試験の難易度、勉強時間と、過去問題 |2022年06月15日
行政書士試験は、士業の資格の中では、比較的合格しやすいものといえます。
とはいえ、試験範囲は広く、出題の傾向としては国家公務員試験と似た内容となっています。
もともとの法律知識や一般知識がどの程度あるかの個人差がありますので、必要な勉強時間はいちがいにはいえません。1000時間程度あるいはもっと早く合格ラインに達する人もいることと思われます。
合格率は近年、10~12%程度で推移しています。
1年での合格を目指すスケジュールを組み、駄目なら再挑戦という勉強法がよいのではないでしょうか。
令和3年度までの過去10年間の行政書士試験結果推移[PDF] 一般社団法人行政書士試験研究センター
行政書士試験の出願傾向の特徴
行政書士試験は、その出願傾向の特徴をあげれば、下記の2点に集約されると思います。
出題範囲の広さ
3時間の試験時間で、下記の法令が択一式、および一部記述式により出題されます。
記述式といっても、40字の記述式が3問程度です。
試験科目と内容等
「行政書士の業務に関し必要な法令等」(出題数46題)
憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)、民法、商法及び基礎法学の中からそれぞれ出題。
「行政書士の業務に関連する一般知識等」(出題数14題)
政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解
試験の方法
「行政書士の業務に関し必要な法令等」は択一式及び記述式、「行政書士の業務に関連する一般知識等」は択一式。
一発勝負である
一部に記述式を含むとはいえ、法令から一般常識までの択一式試験の3時間で、一回の試験で勝負が決まります。
一発常識には時事ネタが出題される
オリンピック新型コロナウイルス感染症対策、日本学術会議、ふるさと納税、アイヌ先住民、エネルギー政策など、一般常識には時事ネタに関する問題が出題されます。
行政書士試験問題に見るテキスト選びの基本
かつては法律の資格試験といえば、各科目の法律の基本書を使うのが一般的でしたが、それでは少々時間がもったいなさすぎます。
まずは行政書士試験用のテキストで勉強し、勉強がある程度進んだ段階になってから、過去問や模試などに進めるというのが、早期合格のためには効率がよさそうです。
判例つき六法くらいは、自分が使いやすいと思ったものを手元に持っているのがよいと思います。
重点としては、行政法、民法、商法、会社法になります。
なお、行政法は、国家行政組織法、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、住民基本台帳法、地方自治法、消防法なども含め、さまざまな法律があります。
また、時事ネタも無視できないため、民法、会社法などはじっくりと勉強し、一般常識や行政法などの個別の法律はスキマ時間も活用して勉強するなど、時間を有効に使うことが早道です。
令和3年度行政書士試験問題
憲法
行政法(行政手続法)
行政法(国家賠償法)
民法
会社法
行政法(学校教育法)
令和3年度行政書士試験 一般社団法人行政書士試験研究センター
令和3年度行政書士試験問題[PDF] 一般社団法人行政書士試験研究センター
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■このページの著者:金原 正道